研究紹介
RESEACH
鉄鋼中不純物の濃度制御・影響制御・有効利用に関する研究
高品質の鉄資源の枯渇に伴い、低品質鉱石の活用および鉄スクラップのリサイクルの重要性が高まっています。低品質鉱石中のりんや硫黄に対しては、これらの不純物を十分に除去するため、カルシウム系を中心とした高い脱りん能・脱硫能を持ち、環境負荷も小さい精錬剤の開発を行っています。一方、鉄スクラップには銅などの除去困難な不純物が存在するため、この影響制御や逆転の発想による有効活用が重要です。影響制御法としては、銅による表面脆化の原因となる鋼表面の銅濃縮相を鉄酸化物スケール中へ吸収させる方法の開発を進めています。また、銅濃縮相の地鉄への侵入を防ぐための鉄酸化皮膜中への銅の取り込み現象の解明を進めています。さらに、銅が鉄相に残留してしまった際にそれを硫化して微細な銅硫化物相として安定化させ、析出強化に役立てるという研究も行っています。